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シークレット・ウォーズの原作とは?あらすじと結末、1984年版と2015年版の違い
シークレット・ウォーズの原作は、1984年に始まったジム・シューターの全12号と、2015年に始まったジョナサン・ヒックマンの全9号の、2つのコミックです。どちらも、神のような力で作られた星「バトルワールド」に、マーベルのヒーローと悪役が集められる物語です。
1984年版では、あるヒーローが、今では映画でもおなじみの「黒い姿」をこの星で手に入れました。2015年版では、神になったドクター・ドゥームが、最後の最後に、自分からある「ひと言」を口にしてしまいます。
そしてMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース。マーベル・スタジオの映画やドラマがつながった世界)では、2015年版の始まりになる「世界の終わり方」が、もう何年も前の映画の中で、言葉になって出てきています。
この記事では、次のことを紹介します。
- シークレット・ウォーズの原作とは(2つの版がある理由)
- 1984年版のあらすじと結末
- 2015年版のあらすじと結末
- 1984年版と2015年版の違い
- MCUの『ドゥームズデイ』『シークレット・ウォーズ』にどうつながる?
- 原作を読むには
結末は見出しに「ネタバレ」と書いてあるので、知りたくない方はそこを飛ばしてくださいね。
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~もくじ~
シークレット・ウォーズの原作とは?
『シークレット・ウォーズ(Secret Wars)』は、マーベル・コミックの大きなクロスオーバー(いろいろな作品のヒーローが1つの話に集まる企画)です。同じ題名で、大きく2つの作品があります。
| 1984年版 | 2015年版 | |
|---|---|---|
| 正式な題名 | マーベル・スーパーヒーローズ シークレット・ウォーズ | シークレット・ウォーズ |
| 出た時期 | 1984年5月〜1985年4月(全12号) | 2015年5月〜2016年1月(全9号) |
| 作家 | ジム・シューター | ジョナサン・ヒックマン |
| 絵 | マイク・ゼック、ボブ・レイトン | エサド・リビッチ |
1984年版は、ヒーローと悪役がまとめて1つの話に集まる「大集合の企画」のはしりと言われる作品です。2015年版は、その1984年版の舞台や登場人物を受け継ぎながら、マーベルの世界そのものを一度終わらせて作り直した、まったく別の物語です。
MCUの『アベンジャーズ/シークレット・ウォーズ』の題名は、この2つから取られています。とくに2015年版は、ドクター・ドゥームが主役と言ってもいい話なので、ロバート・ダウニー・Jr.がドゥームを演じる今のMCUで、いちばん注目されている原作です。ドゥームがどんな人物かは、ドクター・ドゥームとは?の記事でくわしく書いています。
1984年版『シークレット・ウォーズ』のあらすじ
おもちゃと一緒に生まれた全12号
1984年版を考えたのは、当時マーベルの編集長だったジム・シューターです。きっかけは、おもちゃの会社マテルと組んだ、マーベルのヒーローのおもちゃのシリーズでした。おもちゃと一緒に売り出すコミックとして作られたんです。
はじめは『コズミック・チャンピオンズ』という題名で発表されていましたが、子どもたちに聞いた結果、「シークレット(秘密)」と「ウォーズ(戦い)」という言葉が好まれたことから、今の題名になりました。ドゥームやアイアンマンのよろいが、メカっぽい新しいデザインになったのも、おもちゃのためです。
こうして生まれた1984年版は、それまでの25年間でいちばん売れたコミックになりました。
ビヨンダーが作った星「バトルワールド」
ある日、アベンジャーズ、ファンタスティック・フォー、X-MEN、スパイダーマン、ハルクといったヒーローたちが、気づくと宇宙に浮かぶ見知らぬ宇宙船の中にいました。すぐそばには、ドクター・ドゥーム、ギャラクタス、ウルトロン、エンチャントレスなどの悪役を乗せた、同じような船が浮かんでいます。
みんなの目の前で、いくつもの世界のかけらを集めた、つぎはぎの星が作られました。これが「バトルワールド」です。
この星を作ったのは、別の世界から来た、何でもできる存在「ビヨンダー」。ビヨンダーは、ヒーローと悪役に向かって「敵を倒せ。勝った方には、望むものをすべてかなえよう」と告げ、両者をバトルワールドで戦わせます。
この戦いの中で、のちのマーベルに残るできごとがいくつも起きました。
- ドゥームが、普通の人間の女性2人に力を与え、悪役のタイタニアとボルカナが生まれる
- 岩の体のザ・シング(ベン・グリム)が、ひととき人間の姿に戻る
- ハルクが、落ちてきた山を1人で支える
- 2代目のスパイダーウーマン(ジュリア・カーペンター)が初めて登場する
そして、冒頭でお話しした「黒い姿」を手に入れたのは、スパイダーマンです。戦いでコスチュームがぼろぼろになったスパイダーマンは、バトルワールドで見つけた機械から、新しい黒いコスチュームを手に入れました(8号)。実はこのコスチュームは生きていて、のちに悪役の「ヴェノム」になります。映画『スパイダーマン3』や『ヴェノム』につながる話は、ここから始まったんです。
1984年版の結末(ネタバレ)
物語の中心にいたのは、ドクター・ドゥームでした。
ギャラクタスがバトルワールドを食べようとし始めると、ドゥームはそのすきに、ギャラクタスの力を吸い取る機械を作ります。さらにその力で、ビヨンダー本人に挑み、ビヨンダーの力そのものを奪って、バトルワールドの新しい「神」になってしまいました。
しかし、ドゥームはその大きすぎる力を抑えきれません。最後はキャプテン・アメリカの活躍もあって、ビヨンダーが力を取り戻し、ヒーローたちは地球へ帰ります。
ただ1人、ザ・シングだけは、この星では人間の姿に戻れることもあって、しばらくバトルワールドに残りました。
1年後に出た続きの『シークレット・ウォーズII』(1985年)では、ビヨンダーが地球にやって来て、人間の暮らしを知ろうとします。
2015年版『シークレット・ウォーズ』のあらすじ
始まりは「宇宙どうしの衝突」
2015年版の物語は、その前にヒックマンが書いていた『アベンジャーズ』と『ニュー・アベンジャーズ』から続いています。
マーベルの世界には、少しずつ違う地球がたくさんある「マルチバース(たくさんの宇宙)」があります。そのマルチバースで、2つの宇宙がぶつかって、両方とも消えてしまう「インカージョン(宇宙どうしの衝突)」が、あちこちで起き始めました。
これに気づいたのが、ヒーローの中でも頭のいい人たちが秘密に集まった「イルミナティ」です。リード・リチャーズ(ミスター・ファンタスティック)たちは、自分たちの地球を守るために、ぶつかってくる別の地球を壊すかどうか、という重い選択に追いこまれていきます。
やがて、衝突を起こしていたのは、マルチバースの外にいる「ビヨンダーズ」という、何でもできる存在たちだと分かります。1984年版のビヨンダーは、その仲間の中の子どもの1人だったんです。
そしてついに、最後に残った2つの地球、いつものマーベルの世界(アース616)と、もう1つの世界「アルティメット・ユニバース」がぶつかり、どちらも消えてしまいます。2015年版の1号は、この「世界の終わり」から始まります。
神になったドゥームと、新しいバトルワールド
すべての宇宙が消えたあとに、ただ1つ残っていたのが、新しいバトルワールドでした。
作ったのは、ドクター・ドゥームです。ドゥームはドクター・ストレンジ、そして物の形を自由に変えられる「モレキュールマン」と組んで、ビヨンダーズを倒し、その力を自分のものにしていました。そして、消えかけた宇宙のかけらを拾い集めて、つぎはぎの星を作ったんです。
バトルワールドは、昔のマーベルの有名な話の世界(ゾンビになったヒーローの世界、X-MENの未来の世界など)が、それぞれ「領地」として並んだ星です。領地は領主が治め、そのすべての上に「神の皇帝ドゥーム(ゴッド・エンペラー・ドゥーム)」が立っています。
- たくさんのソーが集まった「ソー軍団」が、ドゥームの警察になっている
- ドクター・ストレンジは「保安官」として、ドゥームのいちばん近くで支えている
- 空の太陽は、ヒューマン・トーチ(ジョニー・ストーム)
- ゾンビやウルトロンの大群をふせぐ巨大な壁は、ザ・シング(ベン・グリム)の体
そして、星の人々は、ドゥームが作る前の世界のことを覚えていません。ドゥームを神としてあがめています。
さらにドゥームは、宿敵リードの家族まで手に入れていました。リードの妻だったスー・ストームはドゥームの妻に、リードの子どもフランクリンとヴァレリアは、ドゥームの子どもとして暮らしています。宇宙で一番になるだけでは足りず、リードの居場所そのものを自分のものにしていたんです。
そんな中、世界の終わりの直前にリードたちが作った「救命ボート」の船で生き残っていたヒーローたちが、8年の眠りから目を覚まします。アルティメット・ユニバースから船にもぐりこんでいた、マイルス・モラレスのスパイダーマンもその1人。同じように生き残っていたサノスたち悪役の一団も現れ、ドゥームの世界がゆらぎ始めます。
ドゥームは、フェニックスの力を持っていたサイクロップスを一瞬で倒し、ヒーローたちを逃がした友、ドクター・ストレンジまで手にかけてしまいます。
2015年版の結末(ネタバレ)
最後の戦いでは、ヒーローたちがあらゆる手を使ってドゥームに挑みます。インフィニティ・ガントレットを手にしたブラックパンサーがゾンビの大群を率い、ザ・シングはギャラクタスに立ち向かいます。
そのすきに、リードは星の奥深くでドゥームと1対1で向き合います。
リードは、ドゥームが世界を救ったことを認めながらも、もし自分が同じ力を持っていたら、もっとうまくやれたはずだとドゥームに迫ります。そこでドゥームは、ついに冒頭でお話しした「ひと言」を口にしてしまいます。「リードの方が、もっとうまくできただろう」と、宿敵の方が上だと認めてしまったんです。
それを聞いたモレキュールマンは、ドゥームを支えていたビヨンダーズの力を、リードに移しました。こうしてドゥームの世界は終わり、バトルワールドはくずれていきます。
その後、リードは、スーと子どもたち、仲間の若い科学者たちと一緒に、消えた宇宙を1つずつ作り直す旅に出ます。いつものマーベルの世界も元に戻りました。
ただ、すべてが元どおりではありません。
- アルティメット・ユニバースは戻らず、マイルス・モラレスは、いつものマーベルの世界で暮らすことになった。亡くなっていたお母さんも、元に戻った世界で生きていた
- リードは、ドゥームの顔の傷を治した
顔が治ったドゥームは、このあと心を入れ替えて「アイアンマン」を名乗るようになります。この話はドクター・ドゥームの原作の代表的なエピソードで紹介しています。
1984年版と2015年版の違い
2つの版は、同じ「バトルワールド」が出てきますが、中身はかなり違います。
| 1984年版 | 2015年版 | |
|---|---|---|
| バトルワールドを作ったのは | ビヨンダー | ドクター・ドゥーム |
| 集められた理由 | ビヨンダーの「戦わせてみたい」という興味 | すべての宇宙が消え、残ったかけらを集めたから |
| 戦いの形 | ヒーロー対悪役 | 生き残ったヒーローと悪役が、神になったドゥームに挑む |
| ドゥームは | ビヨンダーの力を奪うが、抑えきれずに取り返される | はじめから神として世界を治めている |
| 終わったあと | ヒーローたちは地球へ帰る。スパイダーマンが黒いコスチュームを持ち帰る | 宇宙が作り直され、マイルス・モラレスがいつもの世界へ。ドゥームは顔が治る |
| 読み味 | ヒーローと悪役が大暴れする、にぎやかなお祭り | 世界の終わりから始まる、重くて大きなSF |
ひと言でいうと、1984年版は「神(ビヨンダー)にむりやり戦わされる話」、2015年版は「神になったドゥームから世界を取り戻す話」です。どちらの版でも、ドゥームが神の力に手をのばすところは同じなんです。
MCUの『ドゥームズデイ』『シークレット・ウォーズ』にどうつながる?
発表されていること
まず、マーベル・スタジオが発表している事実から並べます。
- 2022年7月:サンディエゴ・コミコン(アメリカの大きなファンのイベント)で、MCUの「マルチバース・サーガ」の最後を飾る2本のアベンジャーズとして、『アベンジャーズ/ザ・カーン・ダイナスティ』と『アベンジャーズ/シークレット・ウォーズ』が発表された
- 2024年7月:同じイベントで、5作目の題名が『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』に変わり、ロバート・ダウニー・Jr.がドクター・ドゥームを演じること、監督がルッソ兄弟になることが発表された
- 2026年12月18日(金):『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』が日米同時公開
- 2027年12月17日:『アベンジャーズ/シークレット・ウォーズ』がアメリカで公開予定。監督は同じルッソ兄弟で、マーベル公式の出演者にはダウニー・Jr.の名前が載っている。日本の公開日はまだ発表されていない
『シークレット・ウォーズ』の物語は、公式にはまだ何も明かされていません。『ドゥームズデイ』の出演者や公開日のくわしい話は、アベンジャーズ5(エンドゲームの続編)の記事にまとめています。
そして、冒頭でお話しした「何年も前の映画で言葉になっていた世界の終わり方」は、2022年の『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』です。この映画の最後、エンドクレジットの途中の場面で、新しく出てきたクリアが、ストレンジのせいで「インカージョン」が起きたと告げ、それを直すために一緒に来るよう求めます。インカージョンは、まさに2015年版の始まりになった「宇宙どうしの衝突」のことです。映画の中でも、別の宇宙のストレンジが禁じられた本「ダークホールド」を使ったせいで宇宙どうしの衝突が起き、1つの宇宙が滅びてしまったと語られています。
『マルチバース・オブ・マッドネス』をはじめ、マーベル映画をどこで見られるかは、アメコミ映画の配信サービスを比べたページにまとめています。
原作から考える、つながりそうな所(予想)
ここからは、発表されていることと原作から考えた予想です。公式に決まった話ではありません。
予想1:ドゥームが「神」に近づく
1984年版でも2015年版でも、ドゥームは神の力に手をのばします。映画の題名が『ドゥームズデイ(ドゥームの日・世界の終わりの日)』から『シークレット・ウォーズ』へ続くことからも、ドゥームが世界を思いのままにする所まで行くのでは、とファンの間で言われています。
予想2:別の宇宙のヒーローたちが1つの所に集まる
MCUのファンタスティック・フォーは、アベンジャーズのいる地球とは別の「アース828」という地球の人たちです(くわしくはファンタスティック・フォーとは?の記事)。さらに『ドゥームズデイ』の出演者には、20世紀フォックスの『X-MEN』の映画で同じ役を演じた俳優たちも発表されています。別々の宇宙の人たちが同じ場所に集まるのは、2015年版のバトルワールドとよく似た形です。
予想3:最後に世界が作り直される
2015年版の最後では、宇宙が作り直され、マイルス・モラレスのように、別の世界のヒーローがいつもの世界で暮らすことになりました。MCUの『シークレット・ウォーズ』でも、マルチバース・サーガの終わりに、X-MENなどがMCUの世界に加わる形になるのでは、と見るファンは多いです。
どこまで原作どおりになるかは、映画を見るまで分かりません。ただ、ドゥームとリードの因縁、そして「どちらが世界を救えるか」という2015年版の芯の部分は、ダウニー・Jr.のドゥームとペドロ・パスカルのリードで、ぜひ見てみたいところです。
『ドゥームズデイ』の前に、どの作品から見ておけばいいかは、アベンジャーズを見る順番の記事でまとめています。
原作を読むには
どちらの版も、英語版なら、話をまとめた紙の本や Kindle の電子書籍があります。
- 1984年版:『Marvel Super Heroes Secret Wars』(全12号をまとめた本)
- 2015年版:『Secret Wars』(全9号をまとめた本)
はじめて読むなら、話が短くて分かりやすい1984年版がおすすめです。2015年版は、絵がとても美しく、英語が分からなくても、神になったドゥームの迫力は絵だけで伝わってきます。
まとめ
- シークレット・ウォーズの原作は、1984年版(ジム・シューター・全12号)と2015年版(ジョナサン・ヒックマン・全9号)の2つ
- 1984年版は、ビヨンダーがヒーローと悪役を星「バトルワールド」に集めて戦わせる話。スパイダーマンの黒いコスチューム(のちのヴェノム)が生まれた
- 1984年版の結末:ドゥームがビヨンダーの力を奪って神になるが、力を取り返され、ヒーローたちは地球へ帰る
- 2015年版は、宇宙どうしの衝突「インカージョン」ですべての宇宙が消え、ドゥームが神として新しいバトルワールドを治める話。スーと子どもたちまで自分の家族にしていた
- 2015年版の結末:ドゥームが「リードの方がうまくできた」と認め、力はリードに移る。宇宙は作り直され、マイルス・モラレスがいつもの世界へ。ドゥームは顔が治る
- MCUでは『ドゥームズデイ』が2026年12月18日に日米同時公開、『シークレット・ウォーズ』は2027年12月17日にアメリカで公開予定。インカージョンは『マルチバース・オブ・マッドネス』ですでに出てきている
どちらの版でも、最後に世界を動かすのはドゥームでした。MCUのドゥームがどこまで行くのか、12月18日の『ドゥームズデイ』から、2年続けて見届けましょう!
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